クールな表情でテレビ出演中に容疑者を挑発する巻島刑事こと豊川悦司。このシーンが記憶に残ってる方も多いかもしれない。
原作雫井脩介氏の「犯人に告ぐ」の映画での一コマだ。川崎市で発生した連続児童殺害事件に対しテレビで容疑者に語りかけるという大胆な捜査手法。劇場型犯罪ならぬ劇場型捜査をメインにスリリングな容疑者とのやりとり、同時に大胆な捜査方法を巡っての上司との軋轢などの警察構造を描いていた。
自分は映像化される前に小説「犯人に告ぐ」を手に取り、次の日仕事にもかかわらず朝方までかけて読破した記憶がある。
この小説は大藪春彦賞(野獣死すべしもマジ面白い)をはじめ、本屋大賞7位など数々の賞をとった傑作。
もちろん「犯人に告ぐ2」も購入して読んでいる。1と2共におおざっぱに言えば誘拐モノ。誘拐犯との攻防なのだが、どちらも趣きはまったく異なる。
劇場型犯罪VS劇場型捜査の大風呂敷を広げてのストーリー仕立てだがまったくの別物として夢中に読んだ。
個人的には2の犯人役がクールで惹き込まれた。2の刊行が2015年の9月。そしてついに念願の3が刊行されていた✨
少し前に何でもいいからミステリーが読みたいなとフラリと寄ったブックオフ。ブックオフなのに本ねーじゃん(ハムハムがこのフレーズにどハマり中)という事もなく、新刊コーナーにまさかの「犯人に告ぐ3」が。これはもう即買い。1200円で購入し、読み進めるうちに色々と思い出してくる。そうそう巻島このキャラね!
ストーリーは2からの続き物だ。2、3の容疑者役にはぜひとも窪塚洋介さんにやってもらいたい。
ほんとクールでカッコいいし、どことなく儚げな雰囲気がピッタリだと思うが……。ラストもマジ泣ける。
容疑者の描き方がほんとうまいし、巻島刑事の名文句の鳥肌セリフ「震えて眠れ」もきっちり魅せてくる。
自分は容疑者を応援してしまっていたが、それだけ雫井氏の描く人物が魅力的という事だろう。
そして時代背景もきっちり切り取っていて2までテレビ放送での攻防だったが、今回はネットでの配信で巻島、容疑者が互いに出し抜こうと知恵を絞ってぶつかり合う。最後まで感情移入してページを捲れる小説だ。
そして、読み終わってブックオフに買い取ってもらったら500円で買い取ってもらえた✨1200円だからほぼ半額キャッシュバックみたいなもんね✨
コスパ良すぎる✨容疑者に心から送りたいレスティンピース✌️