【音楽史の本】ヒップホップレザレクション読破‼️

HTML ページの例

f:id:kotechama:20191104173819j:plain

山下壮起氏のヒップホップレザレクション。

 

「街を歩けば目に入るタグ。溢れんばかるのダンサーの数。言葉の壁完全に突破。増え続けるリアルヒップホップホッパー」キングギドラの行方不明という曲のZEEBRA氏のリリックだ。

中学生当時マジこのパンチラインにはやられたし、ある種未来へのワクワク感をかき立てられたものだ。そして今このリリック通り、街を歩けば溢れんばかりのRAPミュージックにbboyの数。

夢破れた俺は現在調査業だが、実は過去にはラッパーとして生計を立てようとしたこともあった。そんな経緯もあり、ヒップホップカルチャーは今でも好きだ。最近よく聴くラップの舐達麻をネット検索していたら何かの拍子にヒップホップレザレクションという著書がひっかかって気になっていたがようやく買えた。

著者である山下壮起氏は現役の牧師さん。ヒップホップの持つ宗教性について詳しく記されている。当時大好きだったアトライブコールドクエストやラキム、モスデフなど80年代、90年代のヒップホップに多大な影響を与えたラッパーばかりだが、ムスリムイスラム教徒)だったという。あらためてヒップホップを紐解くと、その起源に

、その影響下に宗教性は欠かせないと思う。

 

f:id:kotechama:20191104195136p:plain

↑第1章の扉。

 

アフリカ系アメリカ人に対する人種差別は当時熾烈を極めたものだったという。救いを求めたアフリカ系アメリカ人は教会に集った。キリスト教の様々な宗派があるが、それらは黒人教会と呼ばれた。

やがて集ったアフリカ系アメリカ人は団結し、市民権を得た。だが、その教会こそが腐敗してるじゃないか、という事案も起こり始めるとそれに反発する者たちはストリートに救いを求めた。

ストリートで生きる若者の間で根付いたラップはたびたび神や十字架について歌われたという。

ドラッグ、拳銃、女をはじめとしたリリックや己のハスリングライフやサグライフ。そういった反社なリリックが先行して不良の文化みたいに思われがちだが、ヒップホップカルチャーは宗教と深く結びつきがあるという事をわかりやすく細かく書かれていた。

個人的なヒップホップへの思い入れを除いても、かなりドープな良書だ。それにしても中学の頃何も知らずにguessを腰バキしてラップを口ずさんでいたが、バックボーンも知らずにイタイ奴だったわけだ(笑)

一時期大ブレイクしたmaseもラッパーをやめ牧師になっていた時期があった。当時はよくわからなかったが、ラッパーからというより、もともとの生活に宗教や神の存在が近いんだとよくわかった。

世界的にパンデミックを巻き起こしてるヒップホップ。ヒップホップアーティストとファッションブランドのコラボも最近では驚かなくなった。

時代は進んでると感じる事が多い。ヒップホップも日々形を変え、アメーバーのように分裂を繰り返している。そしてストリートを居場所とする多くの若者や、路地裏で張り込みというある意味ストリートな俺の救いでもあるわけだ、とあらためてしみじみ感じる。✌️。。