【ノンフィクション本】半グレと金塊読破💰

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↑帯には写真週刊誌で話題になった写真が。

 

『半グレと金塊』今年読んだノンフィクションではダントツの読み応えだった。主犯格の男が伝えたかった金塊強奪を巡る真相、不良としての人生から犯行、現在に至るまでが描かれているのだが、まるでロードムービーを見ているような感覚で読める。

2016年12月「ニセ警官金塊6億円を盗む」という報道が世間を騒がせた。福岡市博多区の貴金属販売店に金塊を売却に来た男性たちに対し、警官を装い職務質問をし、金塊が入ったアタッシェケースを渡すように要求。スキをついて車に乗せ金塊を持ち逃げした。その後の報道では金塊約160キロ、7億5000万円相当となっている。

報道を見た当初、3億円事件みたいだ、と思ったのを覚えている。被害金額を含めすごく衝撃的だった。加害者、被害者について様々な噂が飛び交った事件だった。

逮捕されたのは名古屋の半グレ兄弟として恐れられていた野口兄弟をはじめとするグループだった。主犯格である著者の野口和樹氏は、懲役9年の実刑判決を受けた。兄である野口直樹氏も同事件で懲役9年の実刑判決を受けている。

週刊誌やワイドショーでは、パリピとして豪遊する派手な私生活や、芸能人との関係を連日取りあげていた。ハワイや夜の街で豪遊みたいな記事が多かったせいか、金塊強奪事件そのものから焦点がボケていたように思う。

この著書であらためて、金塊強奪は出来レースという、野口和樹氏の主張を細かく読み込んだ。被害者の依頼で金塊強奪は行われたという。なるほど、と納得させられる部分が多々ある。一時期、金塊に関する事件が多発していた理由の一端も見れた。

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それにしても、だ。野口和樹氏のバイタリティには凄まじいものがある。過去にはそれが警察署を脱走したり高級車の窃盗などと犯罪にも向けられるのだが、CLUBのイベンターや建設会社を経営したり、ちょっと常人には真似できないレベル。

不謹慎なのかもしれないが、下手な小説よりよっぽど内容が濃くて面白かった。まるでジェットコースターのような人生に引き込まれるのだ。

作中の『人間誰でも「ノーミス」の人生を送ることは難しい。だが、そのミスをその後の人生の教訓にできなければ、それはただの失敗でしかない』という野口和樹氏の言葉がすごく刺さった。

本当に色んな人生がある。どんな人生もただの失敗を繰り返しているだけでは進めないのだと思う。少しでも今を良くできるよう俺なりに頑張ろう。