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【難病実体験②】バセドウ病歴15年ーーやっぱり専門医に行くべき?治療と薬の副作用

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バセドウ病の最悪のケース

15年前、表参道の甲状腺専門医の伊藤病院でバセドウ病と診断されてから服用を始めたメルカゾール。今現在は1日おきに1錠の用量で服用を続けている。前の記事ではバセドウ病のまま放置していると、体に現れる症状をメインに触れてきたが、今回は治療する病院と、薬の副作用について触れたいと思う。その前にバセドウ病を放置しているとどうなるのか最悪のケースを紹介したい。

 

 バセドウ病を放置すると…?

1.) 心臓に負担がかかる状態が続く。甲状腺ホルモンの刺激を受け続けるため心臓の弁に血栓ができる。そのため心不全や脳梗塞を引き起こす。

2.) 甲状腺ホルモンが高い状態が続くので、甲状腺ホルモンの働きにより骨吸収が進む。そのため骨粗鬆症をきたしやすくなる。骨粗鬆症とは骨の内部の骨量が減少し、骨折をしやすくなったり、すでに骨折を起こしている状態を言う。

3.) 女性の方で妊娠をされている場合、甲状腺ホルモンが高い状態は流産、早産、妊娠中毒症などの危険性が増す。母体血液中の抗TSH受容体抗体が高値だと胎児、新生児にも甲状腺機能亢進症がみられる場合がある。俺の場合は母親もバセドウ病なのでこの状態だった可能性も高い。

4.) 甲状腺ホルモン高値の治療が不十分の状態で、肺炎や感染症、大怪我や手術などのストレスをうけると、甲状腺ホルモンが高値の状態に耐えきれなくなる。これを「甲状腺クリーゼ」という。高熱を出し、脈も早くなり意識ももうろうとする。

10年近く前、途中で勝手にもう治ったと判断し、病院に行くのをやめた俺は、軽度のこの状態に陥り自宅で意識を失い救急搬送され入院した事がある。複数の臓器の機能が低下し、死の危険が切迫した状態になる。また、心臓や肝臓の機能が急速に停止するので呼吸が止まったり全身が黄疸のようにもなる。

 

など様々な危険性があるのだ。なので放置するというのは絶対にやめた方がいい。

治療する病院について。やっぱり専門医がいいの?伊藤病院とその他の病院の違い

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基本的に治療には、3つの治療法がある。

  1. 飲み薬での治療
  2. 放射性ヨード治療(妊娠されている方や薬の副作用がある方など適応のガイドラインがある。俺の母親は薬で副作用が出たため現在はこちらで治療中)
  3. 甲状腺を切り取って小さくする手術

 

最初の診察では血液検査と甲状腺のエコー検査を行った。俺の場合は甲状腺の大きさが通常の人より3倍〜4倍ほど大きいと告げられた。これはバセドウ病の患者の中でも大きい方とのこと。

薬での治療は血液検査の数値に合わせて、その用量を調節する。通いはじめは1日6個メルカゾールという薬を飲んでいた。抗甲状腺薬はメルカゾールとプロパジールの2種類ある。

それから甲状腺ホルモン高値や「甲状腺クリーゼ」の応急処置としてヨウ化カリウム丸を服薬していた。こちらは即効性を強めると思ってもらえばいい。ただし、効果は長続きしないので治療として長期間使用する事はできない。たしか1,2週間飲んだと記憶している。

最初の2ヶ月間は週1回〜月に3回程度の通院をするが、甲状腺ホルモン値が高い状態から数値が落ちていくと、数ヶ月に一度の通院でよくなる。そうなると、忘れたりもう平気なんかな、面倒だな、と行くのをやめてしまう人もいる。俺がそうだった。薬での治療であれば血液検査がある時で約5000円〜7000円程度(薬代も含めて)、ただの診察であれば2000〜3000円程度(薬代も含めて)と費用はそこまで高くないが、なにせ時間がかかる。

甲状腺専門伊藤病院のメリット

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表参道の伊藤病院に通っていた頃は2〜3時間はかかっていた。これは専門医でもある伊藤病院に通うメリットにも関わってくる。今通っている病院は甲状腺を診察できる医師がいる町医者だ。元々は伊藤病院で勤務されていた医師なので、とても信頼できる先生なのだが血液検査の結果が出るまでに1週間かかる。

対して伊藤病院の場合、その日に血液検査をして、その日のうちに結果が出る。バセドウ病を薬で治療する際、重要なのは数値に合わせた薬の量だ。亢進症気味なら薬を増やしたり、低下症気味なら薬を減らしたりと、専門の医師が調節してくれる。そのため伊藤病院では血液検査の結果が出るのを待ち、その後、医師に診断してもらい薬を処方されるのでおのずと時間がかかる。

ただ、薬の閾値が狭い(ちょっと減らすとホルモン高値になってしまうなど)人はリアルタイムで調節してくれる伊藤病院の方がいいかもしれない。俺は毎回、時間のかかる伊藤病院が嫌で2年たつ前に今の医師の元に通うようになった。こちらは病院の混み具合にもよるが伊藤病院よりは早く終る。

もちろん専門医である伊藤病院によるメリットは血液検査だけではない。実は俺は今の病院に通院してから幾度となく、それこそつい最近まで手術をするように言われ続けていた。薬の閾値が狭いパターンの厄介な患者だからだ。

担当医から伊藤病院で手術しなさい、と10年近く言われ続けている。ちなみに母親も同じ病院に通っていたが薬が効かず伊藤病院に行くように勧められ、今は伊藤病院で放射性ヨード治療を行っている。つまり、薬以外の治療は伊藤病院をはじめ専門医でないとできないという事だ。

今の担当医から「薬でうまく数値が下がらないのに、こんなに長い間、薬を飲み続けて手術をこばんで粘る人は見たことがない。ただ、不思議な事に君の甲状腺の腫れはひいて、今はほとんどの数値が普通の人と一緒だ。君の粘り勝ちだね」とこの間笑って言われた。もう幾度となく怒られてきた担当医だが、笑顔でそう言ってくれるのは俺も嬉しいものだ。

薬を飲み始めた当初現れた副作用

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薬の量が多いからなのか、薬で体質が変わるからなのかわからないが、薬を飲み始めて2ヶ月ほど続いた副作用があった。抗甲状腺薬にはメルカゾールとプロパジールの2種類あるが、基本医師はメルカゾールの方を先に処方する。

メルカゾールの方が強力かつ、作用時間も長い。服用を始めて2ヶ月ほどで効果が現れ始めると言われている。同時にメルカゾール服用2ヶ月間まではまれに重い副作用が起こるので注意すべき。

主な重い副作用として

  1. 無顆粒球症 血液中の白血球の成分のうち顆粒球が減少し、ほとんどなくなる病気。初期症状として発熱や喉の痛み、倦怠感等があるが、無顆粒球症になると細菌に対する抵抗力がなくなるので、肺炎などの重症感染症を起こしやすくなる
  2. 肝機能障害 服用を始めて一時的に肝機能異常が認められる場合がある
  3. MPO-ANCA関連血管炎 38度〜39度台の間欠的な発熱、関節炎、筋肉痛、多発性単神経炎・ANCA関連腎炎・肺腎症候群・間質性肺炎を起こす。
  4. 妊娠初期に服用していると胎児に奇形が生じる可能性が約2%あると言われている

自分自身に起こった副作用

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こういった重い副作用もあるので2ヶ月間までは2週間に一度、血液検査を必ず行いながら服用する。ここまで重い症状でなくとも、自分自身に起こった副作用としては以下があった。

 

1.)   手先、足先のかゆみから始まり、腕、太ももが掻いても掻いてもかゆみがとまらなかった。飲み始めて1ヶ月ほどたってからかゆみが現れ、2ヶ月間は続いていた。

かゆみと前後して赤い発疹もできた。痒くて寝れない日もあったくらいのかゆみだった。担当医に相談すると抗アレルギー剤を処方して様子を見るという事になったが、その後はかゆみも緩やかになり、発疹も収まった。

ちなみに母親も同様に尋常ではないかゆみを訴え、抗アレルギー剤を服用したが収まらずプロパジールで治療となった。プロパジールにしてからはかゆみはマシになったとのこと。

2.) 太る。これはメルカゾールの副作用というよりは薬が効いてくると、これまでより代謝が落ちる。「寝ている間も小走りしている状態」というバセドウ病の状態から数値が下がっていくので、それまでと同じ食事を続けると太り始める。

薬が効いている状態だと8Kg太って、薬が効いていない状態だと8Kg減っている、俺はそんな感じの増減を繰り返していた。

3.) メルカゾールと因果関係があるのかどうかはわからないが、これまで気にならなかった花粉が気になりだした。花粉症とは縁遠かったのだがメルカゾールを服用して半年ほどたった花粉の季節には鼻水とくしゃみなど花粉症に悩まされるようになった。担当医に相談したが、因果関係があるのかどうかはわからず。これは15年たった今も花粉症のままである。

4.) 副作用というよりは薬が効きすぎて起こる症状だと思うが、便秘ぎみになりやたら寒がりになる。脱力感や無気力を伴い心理的にもうつ傾向になる。いわばバセドウ病とは逆の傾向の橋本病の症状に近い。ちなみに母親の姉は橋本病を患っている。

15年間メルカゾールの服用してみて

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15年間というと本当に長い間だが、薬を飲み続けている。3回ほど自分の判断で薬を勝手に止めた時期もあったが、その3回のうち1回は意識を失い救急搬送されている。

薬をやめると周期性四肢麻痺や手の震えは再発している。ここ1,2年に至るまでは薬を飲み続けていても、普通の人よりは少しだけ数値が高い状況だった。「もうこれ以上は変わらないし、心臓にも負担がかかる、若いうちの今、すぐに手術をしなさい」と担当医に何度も怒られ、「あと一回だけ薬を増やして治療してみてください」と手術を伸ばし伸ばしにしてきた。

 

手術のリスク

何せ手術をすると10日以上は入院しないといけないし、フリーランスの俺がそれだけ仕事を休むと復帰できるのかも心配だったからだ。首元にネックレスをつけているような傷跡が残るという話も躊躇させる一因だった。

決定的なのは手術をしても薬を飲む生活は変わらないという部分だ。手術後も甲状腺ホルモンを正常値にするため甲状腺ホルモン薬を飲み続けなければいけないという事だった。担当医は「心臓にかかる負担は手術後のが軽くなる。甲状腺ホルモン薬でのコントロールのほうがしやすいし副作用の心配も少ない」と言っていたが、薬を飲む生活が続くなら、もうちょっと、と伸ばしてきたのだ。

すると、このところほとんどの数値が正常になり、現状はホルモンを出しなさいと司令を出している数値が高いだけだ。これまでずっと高い値から抜けられなかったのが突如下がった。担当医も「こんな事あるんだなー」と驚いていた。


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▲2011年頃と2020年現在の比較画像

こちらを見ていただければ、一目瞭然。2011年頃にボッコりと腫れていた甲状腺が、現在はシュっと引き締まっている。それで今、薬を減らしているのだが、このまま落ち着いて数値が推移してくれる事を願うばかりだ。

 

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