話題の『教場』シリーズ最新作『風間教場』読破📕

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豪華キャストで送った"教場"の最新作

フジテレビ開局60周年の目玉企画として2020年1月4日、1月5日の二夜にわたって放送されたドラマ『教場』。主人公風間を演じたのは、木村拓哉さん。他にも川口春奈さん、林遣都さん、ちゃまが大ファンだという三浦翔平さんなど豪華キャストでも話題になったドラマだ。

 

シリーズ初の長編

もともと原作『教場』『教場2』を書いた長岡弘樹さんのファンでもある俺は、ドラマの放送を知った時は興味を惹かれたが引越し作業や仕事ですっかり見逃してしまった。マジ残念。短編の名手と呼ばれる長岡弘樹さんの作品はほぼすべて読破している。特に面白かったのはミステリー短編集の『傍聞き』。

短編ながら唸らされるような結末のミステリーなのでほんとオススメ。

今回ドラマになった『教場』シリーズの最新作『風間教場』。しかもシリーズ初の長編である。

 

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舞台は、警察学校

教場は警察官学校が舞台。教官と警察官の卵たちのある種の学園ドラマの要素を持つミステリー仕立てになっている。いや、ほんとね、『3年B組金八先生金八先生や『ごくせん』のヤンクミを凌ぐ癖キャラの風間教官。『教場』では冷酷な鬼教官に最初は思えたけど、これがまた人情味のある男なのだ。

 

久光校長からの条件

最新作『風間教場』では、冷酷さは薄まったように思えたが、持ち前の推理力、知識を駆使して警察学校に通う若者たちを導く。ほんとこの辺は学園モノの担任教師顔負けの指導者っぷりだ。しかも舞台は警察学校。厳しい世界だろうし、その生活の一端も垣間見れる

しかも今回は警察学校の校長久光に、学生が1人でも辞めたら自分も辞めなくてはならないという条件をつけられてしまった。

その条件下の中、問題行動を起こす生徒に対峙するのだ。もちろん警察学校で備品がなくなったり、ある生徒の不審行動を端緒としたミステリー要素もふんだんにある。

 

失明した右目、秘められた意志、思わず涙するラスト。

そして、風間教官を語る上で重要なファクターでもある失明した右目。ある事件で右目を失ったのだが、それゆえに音や匂いなど五感も人並み外れ優れている。

その独眼についても『風間教場』では思いがけない結末だった。ラストまでにすべてがつながっていく感覚は爽快感すらある。語り口調はクールそのものなのだが、その秘められた意志には思わず涙してしまったほど。

短編が巧い人は長編もすこぶる巧いと言われるが、まさに短編を丁寧に積み重ねたような長編はやはりラストで唸らされた。『風間教場』、ミステリーとしてはもちろんだが、人間ドラマとしても読み応えのある小説だ。

それにしても、ちゃまは三浦翔平、三浦翔平って言っていたが、俺は白髪のキムタク渋くてどえらいカッコいいと思うのだが。