『このミステリーがすごい大賞』から選ぶお薦めミステリー小説・BEST5

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このミステリーがすごい!大賞』

2002年に宝島社、NECメモリーテックの3社で創設された賞金1200万円のノベルスコンテスト

今回は自分的〝このミス〟ベスト5をつけてみた。こうして振り返ると、このミス大賞作家さんはその後も活躍されてる方ばかり。本当面白い方が多いんでオススメです!

 

 

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第5位 『公開処刑人 森のくまさん』

✎…堀内公太郎(箸)

▶第10回このミス大賞隠し球

隠し球とは優秀賞や大賞には及ばなかったが選考委員に評価された作品

 

【  STORY & お薦めPOINT  】

ネット掲示板に犯行声明を出すシリアルキラー森のくまさん〟。警察を嘲笑うように次々殺人を重ねていく。

正直、内容が飛び抜けていいというよりはとにかく読みやすい文章。読み始めると読み戻ったりせずにスッキリ読めてしまう爽快感がある。処刑されていくのが法の目を潜り抜けたレイプ常習犯やいじめを助長させる鬼畜教師などの悪人ばかり。次第に市民権を得て、一部ではヒーロー扱いされる森のくまさん。わかりやすく言えば必殺仕事人テイスト。巨大掲示板に実名とともに悪事を晒される事はよく目にする光景だが、そういった人達が被害者になっていく。わかりやすさと読みやすさがオススメ

 

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第4位 『死亡フラグが立ちました』

✎…七尾与史(箸)

▶第8回このミス大賞隠し球

隠し球とは優秀賞や大賞には及ばなかったが選考委員に評価された作品

 

【  STORY & お薦めPOINT  】

今では死亡フラグシリーズと呼ばれ〝このミス〟でもなぜ大賞が取れなかったのかとの声が名高い良書。本書の副題、〝凶器は…バナナの皮!? 殺人事件〟からもわかる通り抱腹絶倒のユーモアミステリー。死神と呼ばれる凄腕暗殺者に狙われると24時間以内に偶然の事故を装って殺される、そんな都市伝説じみた案件を追うライター陣内。頭上から植木鉢が降ってきたり、バナナの皮を用いて殺害を謀ったり、どこかクスっと笑わせられてしまう手口をはじめ、ユーモアに富むがそのトリックは練られていてミステリーとして充分読み応えのある一冊となっている。

 

2019年11月にドラマ化されてます

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2019年11月に、小関裕太ドランクドラゴン塚地武雅によってドラマ化されている。

 

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第3位 『果てしなき渇き

✎…深町秋生(箸)

▶第3回このミス大賞受賞作

 

【  STORY & お薦めPOINT  】

妻の浮気相手に凄惨な暴力をふるい警察を依頼退職した主人公藤島。現在は離婚した元妻から高校3年生の娘加奈子が失踪したと電話があり、久々にかつての我が家へ。加奈子の部屋で男物のセカンドバックを見つけるのだが、中には末端価格100万円以上の覚醒剤と注射器やアルミやパイプなどの使い慣れた常習者グッズ一式が……。ここまでだけならよくあるハードボイルド仕立ての漢という感じの物語か、と思ってしまう。

だが本書は違う。主人公藤島は明らかに常軌を逸してしまっているし、じょじょに明らかになっていく加奈子も正常な感覚から狂っている。とにかく救いのない物語がものすごいスピード感ある筆致で綴られていく。暴力描写をふくめグロ展開多めなので苦手な方はやめた方がいいかも。胸糞悪いがなぜか惹きつけられる

 

▼映画化されている

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2014年役所広司主演、小松菜奈二階堂ふみオダギリジョー中谷美紀ら実力派の共演で『渇き。』として映画化されている。

 

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第2位   『一千兆円の身代金』

✎…八木圭一箸

第12回このミス大賞受賞作

 

【  STORY & お薦めPOINT  】

意外性やミステリー要素の面白さというよりは、こんな事件が現実に起こったらどうなるかな、と考えさせられる作品。時代の切り取り方がとても良かった。

物語は元副総理の孫が誘拐される事で展開していく。多くの視点から物語が進んでいくので慣れてない方は読みづらいかも。

日本政府に要求された身代金財政赤字と同額の〝1085〟兆円。現実でも2019年に国の赤字は1100兆円を超えて過去最大となった。そういった国の増え続ける借金や抱える病魔をするどく指摘している。本書の中に登場する政治家は国民の事など何も考えていない。そして現実の大半の政治家も同様だろう。コロナショックに大揺れする現在、改めて読み直してみてもらいたい作品。

1085兆円を払えないなら財政赤字に対する謝罪、それから再建案の提示を迫られた政府はどうするのか……。今後も傾くであろう経済の中、憂国が発端となる事件がないとは言えない。2015年、香取慎吾仲里依紗の出演でフジテレビからドラマ化されている。

 

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第1位👑『ある少女にまつわる殺人の告白』

✎…佐藤青南(箸)

▶第9回このミス大賞受賞作

 

【  STORY & お薦めPOINT  】

佐藤青南氏と言えばサイレントヴォイスの楯岡絵麻シリーズがめちゃめちゃ面白いが、こちらがデビュー作。デビュー作とは思えないほどの作り込みと文章で、一気にファンになった。楯岡絵麻シリーズも本当にオススメである。読んだ事ある方ならわかると思うが『尖塔のポーズ』ってやつね。

この作品については本当に先入観なしに読んだ方が面白いので、なるべく内容には触れないようにする。

10年前のある少女の死を巡って、インタビュー形式で話が進んでいく。湊かなえ氏の『告白』と同じ手法だ。こちらは最初はインタビューを誰が行っているのかすらわからないのだが、最後は確実に驚きとともにはっきりし、なるほどと唸らされるはず。途中から、ん? という違和感があるがラストまでにスッキリ解消される。

児童相談所の所長、家族、小学校教師などの証言から真実を浮き彫りにしていく。児童虐待やネグレクト、目を覆いたくなる惨状を目の当たりにするが、ぜひ最後まで読み進めてほしい。救いがあるかどうかは別として物語の印象をひっくり返した上ですごいな、と思されるはずだ。

 

 

 

 

最後まで、読んでいただきありがとうございました。皆さんの好きなミステリー小説はありましたか?