【難病実体験③】バセドウ病/16年目で完治に向かってあと一息!
薬の量も最終段階。薬をなくしていく方向に
バセドウ病と折り合いをつけながらの人生も今年で16年目に入った。ようやく“完治”も見えつつある状態へと移行しているらしい。この2ヶ月は一日置きにメルカゾールをひとつの量で服用していた。まずは先日の検査結果を聞きに病院行った際の事から。
「おおー今回もいい調子だね。バセドウ病の勢いに君が勝ちつつあるよ。ほんとに良かった。次の結果次第でいよいよ薬をやめていく方向に入るよ」
担当医師も自分の事のように喜んでくれた。そして16年目にして、メルカゾール服用の量が月、水、金の3日間にひとつずつの数量になった。勝手に自分で薬を飲むのをやめた以外はここまで服用の量が減ったのは初めての事。こちらが今回の検査結果。やはり結果良好なのは嬉しい。過去の状況についても書いてるのでお時間ある方はぜひ!!
検査結果と各数値の傾向
1番上の項目のTRAb。これがレセプターに結合し、甲状腺ホルモンを過剰に分泌させる。つまりバセドウ病患者はここの数値が高値になる。メルカゾールを一日置きにひとつの量にして2ヶ月後、検査を行うとTRAbが必ず高値の域になっていたが今回初の基準値。
そして、逆に2段目のTSH(甲状腺刺激ホルモン)に関しては測定できないほど低値になる。TSHが言わば甲状腺ホルモンを出すように促す働きをするわけだが、バセドウ病による機能亢進症であれば甲状腺ホルモンが過剰に分泌されているのでTSHの値は低くなる。が、検査結果は高いので現状で言えば機能低下症気味。「橋本病」はこちらの機能低下症の方にふれる。
橋本病を疑うべき症状
機能低下症が引き起こす症状も様々。程度の問題にもよるが、機能亢進症よりは機能低下症の方が体にかかる負担は少ないと言われている。とはいえ本人としては物凄く辛い症状だ。
◆橋本病の主な症状
•食欲低下
•やる気や意欲がわかない
•集中力の低下
•無気力
•寒がり
•顔、全身がむくむ
•脈拍数が少なくなる
•体重増加
•声が枯れる
•筋力の低下
•物忘れがひどくなる
•便秘
•皮膚が乾燥する
•やたらと眠気を感じる
◆バセドウ、橋本病に共通する症状
•甲状腺が腫れる
•だるい
•疲れやすい
•髪の脱毛が多い
一見すると気合が足りないと言われ、怠け者に見えてしまいそうな症状も多い。実際に薬が効きすぎている状態の時、彼女のちゃまからは
『小鉄最近疲れたしか言わないね……。いつもダルそうにしてるし。私のせいなんかな……』と誤解された事も何度かある。その状態の時は口を開くのもしんどかったりするので、説明もおざなりになるので『もういいっ』と喧嘩が泥沼化するわけだ。
彼女•彼氏がバセドウ•橋本病の方へ
もしも、彼氏•彼女がバセドウ病もしくは橋本病と診断された方がいたら、参考にしていただけたら。治療を進めている方、特に長い間、薬による治療を試みてる方は数ヶ月おきに薬の量を調整して検査をしている。調整を行う以上、数ヶ月ごとに若干、何かしらの変化がある。
突然、理由もなく彼氏•彼女の人が変わったように感じてしまったら、暑くないか、寒くないか、疲れやすいのではないか、と尋ねてみてほしい。脈拍数を測ってみるのもいい。
その際、何かあったのか? 自分が何かしたのか? 嫌いになったのか?と問いただされても『なんか体も気持ちもだるいんだ』としか説明ができない。座っていても寝転んでても体がダルいのだから、極端に言うと放置してもらってる方が楽な日もある。
それでも、自分の側で彼女が生活していて一緒にいてくれる事に対して、実は心の中では感謝している。この感覚の説明が難しくてしばしば揉めてしまうのだが。
事実、病院に行っても橋本病の方がうつ病と誤診されるケースがあるくらい。表面上は、ただのワガママと勘違いされてしまう事も多々ある。今回機能低下気味ではあるが、幸い、食欲低下どころか食欲は旺盛だし、うつ病傾向にもないので良かった。
長年飲み続けた薬と離れられる日が待ち遠しい
ちなみにF-T3(フリー・トリヨードサイロニン)でF-T4(フリー・サイロキシン)は血中の遊離型ホルモン。血中に含まれる量で甲状腺ホルモンの過不足を調べる事ができる。それらも基準値内に収まっている。ここまで本当に長かった。
メルカゾールを飲み始めてこれまでずっとこの白い錠剤と付き合ってきたが、最近色が変わったそうでこちらの黄色い錠剤になった。
黄色い錠剤とはすぐにお別れできればいいが。
本当に何度も何度も1日置きにひとつメルカゾールを服用するという所まで行けても、その後、また亢進症に戻っていた。願わくばこのまま、〝完治〟へと向かっていってもらいたいものだ。