若者いなきゃ感染しないだと!?
一時期間違った認識を持っている高齢者としてネット上で話題になったテレビのインタビューシーンだ。
『だって若者いなきゃ感染しないんだから』と70代の男性は取材に対して語っていたが、先日まるっきり真逆の見解が出始めていた。
実際当初自粛を無視して遊び回る若者叩きから始まり、感染拡大は若者によるものという印象を植え付けられた。
それからマスクをしない中年男性層だたき、そして免疫力の低下した高齢者層の三つ巴の熾烈な叩き合いが繰り広げられるようになっていく。中年層のマスクしてない率は解消されつつあるから最近はナリを潜め、若者VS高齢者みたいな図式になっている。
そんな折、4月18日の日テレで〝高齢者ほどのどからウイルスを多く排出〟と報道されたのだ。
厚生労働省のクラスター対策班のメンバーの東北大押谷仁教授が日本感染症学会で発表した。
『新型コロナウイルスは年齢が高いほどのどからウイルスを多くだし、排出するウイルスの量は重症度ではなく年齢に関連する傾向がある。年齢が高いほど他の人に感染させる可能性が高い』
との事だ。この報道でまた若者と高齢者の溝が深まるような事にならないか心配になる。高齢者を叩く事も、また逆に若者を叩く事もはっきり言って不必要だ。もちろん中年層も。そうでなくてもトラブルが多発しはじめている。
死のバトンリレーが始まっている
旭川市では79歳の男性がマスクを求める行列で口論になって体当たりしたり、福岡市ではマスクを着用しろと地下鉄内で男性2人が口論になり非常通報ボタンが押される騒ぎに発展したり。
元気あるコロナ保菌者の若者が他の奴なんて関係ねーって遊びまわる。それを受け取った働きに出ざるえない中年層や高齢者が年齢に応じて多くウイルスを排出する。そしてそれはまた遊び歩く若者に還る。まるで死のバトンリレーだ。
あくまでわからない事だらけの新型コロナ。いつまた今度は若者が、中年層が、高齢者が、と新しい見解が出るのかわからない。カードゲームの大貧民や大富豪と同じだ。革命をされたら弱い数字が強い数字になる。またその逆も。
手をとりあえたら一番いいけど、いつの時代も大半の若者は年配者を嫌い、大半の年配者は得体のしれない若者を恐れる。お互い気に喰わないならいっそ精神的にも〝ソーシャルディスタンス〟をとればいいと思う。
こういったいがみ合いから無意味なトラブルが多発するよりは我関せずのがスタイルのがよっぽどいい。